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ECサイトのセキュリティ対策:リスクを回避する6つの方法

ECサイトを運営する上で、セキュリティ対策は欠かせない要素です。サイバー攻撃や情報漏洩といったリスクからサイトを守るためには、具体的な対策をおこなう必要があります。

本記事では、ECサイトが直面するセキュリティリスクや、その対策方法を詳しく解説します。実際の事例を交えながら、リスクを回避するための具体的なステップを紹介していくので、あなたのECサイト運営にぜひ役立ててください。

ECサイトが直面するセキュリティリスク

ECサイトは多くの個人情報を扱っており、不正アクセスの標的となりやすい状況にあります。顧客の住所、氏名、さらには銀行口座やクレジットカード情報などが含まれるため、サイバー犯罪者にとって非常に魅力的です。

ECサイトのセキュリティ対策は売上を直接的に増加させる要素ではなく、専門知識が求められるため後回しにされがちです。しかし、セキュリティ対策をおこたって不正アクセスを許してしまうと、最悪の場合、企業存続の危機に陥ることにもなりかねません。

ECサイト運営者として顧客の信頼を守り、安全な取引環境を提供するためには、セキュリティ対策をしっかりおこなうことが大切です。

 

【事例付き】セキュリティ侵害により起こること

セキュリティ侵害が発生すると、企業は深刻な被害を被ります。情報漏洩による賠償金の支払い、社会的信用の失墜など、具体的な事例を交えてその影響を詳しく見ていきましょう。

ECサイト運営において直面する可能性のあるリスクを理解し、適切な対策を講じるための参考にしてください。

 

賠償金の支払い

セキュリティ侵害によって顧客情報が漏洩し、その顧客からの訴訟が起こった場合、大きな賠償金を支払わなければならない可能性があります。

ECサイトの情報漏洩による損害賠償の相場は1人あたり5000円~1万5000円ほどで、センシティブな情報が含まれると3万円を超える場合もあります。顧客の数が多ければ、総額はかなりの額になるでしょう。

過去にあった大手証券会社の顧客情報売却事件では、約5万人の情報が流出し、お詫びに1人あたり1万円のギフト券を配布したことで5億円以上の損失を出しました。さらに、調査費用や逸失利益などを全て含めると、総額で約70億円以上の損失があったといわれています。

たった1度の情報漏洩でも、ECサイトや企業の存続に影響する可能性はじゅうぶんにあるのです。

 

社会的信用の失墜

ECサイトがセキュリティ侵害を受けることは、企業の社会的信用を失墜させるリスクを孕んでいます。顧客の個人情報が流出した場合、その企業は信頼を失い顧客からの評判も大きく傷つけられます。

大手証券会社の顧客情報売却事件では、同社の専務が意見陳述で「一番の損害は目に見えない信用の失墜である」と強調し、社会的信用が大きく傷つけられたことを指摘しています。

社会的信用は簡単に取り戻せる類のものではなく、金銭では換算できない大きな損失です。

 

ECサイト個人情報漏洩の原因3つ

個人情報漏洩の原因は、「外部攻撃」「人為的ミス」「内部不正」の3つに分けられます。どのような原因でどのようなことが起こるのか、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

それぞれの原因について具体的な事例をもとに理解することが、効果的な対策を講じるための第一歩です。

 

外部攻撃

ECサイトのセキュリティリスクと聞くと、真っ先に思い浮かべるのは外部からの攻撃ではないでしょうか。

ハッカーやサイバー犯罪者がサイトに不正アクセスして、顧客情報を盗むのがその典型例です。また、他にもフィッシング詐欺、マルウェアの拡散、DDoS攻撃などがあります。

外部攻撃を防ぐためには、ファイアウォールや侵入検知システムの導入、定期的なセキュリティ更新が必要です。また、強固なパスワードポリシーや多要素認証を実施することも効果的です。

 

人為的ミス

ECサイトのセキュリティリスクには、人為的ミスも含まれます。人為的ミスとは、従業員の誤操作や設定ミスを指します。メールの誤送信や、システムの設定ミスによる情報公開がその代表例です。また、顧客情報の入ったノートパソコンやUSBの置き忘れも度々ニュースになっています。

人為的ミスを防ぐには、定期的なセキュリティ教育と訓練が重要です。作業手順をマニュアル化する、二重チェック体制を導入するなど、凡ミスを減らす取り組みだけでもセキュリティを高めることができます。

 

内部不正

ECサイトのセキュリティリスクのひとつに、内部不正があります。

これは従業員や関係者が意図的に不正行為をおこなうことで発生します。顧客情報の不正取得やシステムへの不正アクセスが典型例です。

大手証券会社のケースでは、元社員が不正アクセスにより約148万人分の顧客情報を取得し、そのうち約5万人分を外部に売却しました。

この事例からもわかるように、内部不正を防ぐためには従業員のアクセス権限の管理が非常に重要です。また、定期的な内部監査やセキュリティ教育をおこない、情報管理のルールを徹底するようにしましょう。

 

ECサイトに必須のセキュリティ対策6つ

ECサイトを安全に運営するためには、効果的なセキュリティ対策を講じることが重要です。

ここでは、プログラム脆弱性への対応・アクセス権限の管理・個人情報の保管など、サイトの安全性を大幅に向上する6つの方法を紹介します。ユーザーに安心してショッピングを楽しんでもらうためにも、ポイントを押さえてセキュリティ対策を強化していきましょう。

 

プログラム脆弱性の発見と対応

ECサイトのセキュリティを強化するためには、プログラムの脆弱性を早期に発見し対応することが重要です。

脆弱性は、不正アクセスやデータ漏洩の原因となります。定期的なセキュリティ診断やペネトレーションテスト(侵入テスト)を実施し、脆弱性を洗い出して修正することが必要です。

同時に、最新のセキュリティパッチを適用し、常にシステムを最新の状態に保つことも忘れてはいけません。開発者は安全なコーディングガイドラインに従い、脆弱性を作り込まないように注意しましょう。

 

アクセス権限の厳重管理

ECサイトのセキュリティを強化するためには、アクセス権限の厳重管理が不可欠です。従業員ごとに必要最小限の権限を設定し、不正アクセスや情報漏洩のリスクを減らしましょう。

定期的に権限の見直しをおこない、不要な権限を削除することも重要です。特に退職者や異動者の権限は速やかに更新する必要があります。

また、万が一パスワードが漏れてしまった場合に備え、IPアドレスの制限などでアクセスできるパソコンを制限するのも有効です。

 

個人情報の適切な保管

ECサイトで取り扱う個人情報は、適切に保管することが重要です。

暗号化した顧客データをインターネットから直接閲覧できない安全な場所に保管し、アクセス制限を設けることで情報漏洩リスクを減らしましょう。パスワードやサーバーの設定ファイルも同様です。

なお、情報を誤ってインターネットに公開してしまった場合は、情報を削除するだけでなくキャッシュが残っていないか確認することが大切です。オリジナルを削除してもキャッシュは残り続けるため、検索エンジンへの削除依頼をおこないましょう。

 

安全なショッピングカートの選択

ECサイトに欠かせないショッピングカートは、銀行口座やクレジットカード番号などの支払い情報を取り扱うため、セキュリティ対策が特に必要な部分です。

ショッピングカートを選ぶ際は、SSL/TLSの暗号化技術や定期的なセキュリティアップデートがあるかを確認しましょう。また、PCI DSS(クレジットカード情報を安全に取り扱うための国際的なセキュリティ基準)に準拠していることも重要です。

もしくは、ASP(Application Service Provider)のショッピングカートを利用するのも一つの方法です。ASPは専門のセキュリティ対策を提供しており、最新のセキュリティ技術を利用できるため自社での管理負担を軽減できます。

 

セキュリティ対策サービスの導入

ECサイトのセキュリティ強化には、最新のセキュリティサービスや製品を導入することが重要です。

具体的には、ファイアウォールでインターネットからの不正アクセスを防ぎ、アンチウイルスソフトでコンピュータウイルスなど不審なプログラムを防止、または早期発見します。

また、ウェブサイト経由での侵入を防ぐウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入もあわせて検討しましょう。

これらの対策は、サーバーだけでなく管理業務に使うパソコンにも適用する必要があります。

常に最新の脅威に対応できる体制を整えたい場合は、セキュリティ診断や脆弱性スキャンを提供する専門サービスを利用するのも有効です。

ECサイトのセキュリティ対策においては、適切なサービスの導入がリスク回避の大きなカギとなります。

 

管理者のセキュリティ教育

ECサイトのセキュリティを確保するためには、管理者のセキュリティ教育が欠かせません。管理者が最新のセキュリティ知識を持ち、適切な対策を実施できるようにすることが重要です。

具体的には、定期的なセキュリティトレーニングやセミナーに参加させるなどして、最新の脅威や対策について学べる環境を整えましょう。

また、内部のセキュリティポリシーや手順を明確にし、全従業員に周知徹底させることも必要です。

パソコンの扱い方を制限したり、個人所有のUSBメモリの利用を禁止したりなど、情報流出を防ぐための具体的なルールを設けましょう。

 

フィッシング詐欺対策も忘れずに

フィッシング詐欺は、インターネットユーザーを偽のサイトに誘導し、ユーザー名・パスワード・クレジットカード情報などを不正に取得する行為を指します。この詐欺行為は非常に巧妙で、自社ECサイトの偽物が作成されると顧客の信頼を失いかねません。

顧客をこうしたフィッシング詐欺から守るためには、いくつかの対策を講じる必要があります。

  • メールを利用する場合は、送信ドメイン認証技術を活用する
  • SMSを利用する場合は、国内直接接続の配信やRCS準拠サービスを利用する
  • 多要素認証を活用する
  • ドメイン名は社名やブランド名など認知しやすいものにする
  • フィッシング詐欺についてユーザーに注意喚起する

また、アクセスを監視したりフィッシング検知サービスを活用したりして、フィッシング詐欺の発生を迅速に検知するための対策もしっかりおこなうことが大切です。

 

セキュリティ対策の実施手順と継続的な改善

セキュリティ対策を効果的におこなうためには、具体的な実施手順を知り、継続的に改善することが重要です。適切な手順に従って対策を講じることでECサイトの安全性を向上させ、継続的な改善をおこなうことで顧客の信頼を維持し続けましょう。

このあと紹介する内容を、安全で信頼性の高いサイト運営を目指すためのガイドとして活用してください。

 

セキュリティ対策の具体的な実施手順

ECサイトのセキュリティを強化するためには、具体的な実施手順を計画し、確実に実行することが重要です。以下のステップに従って、効果的なセキュリティ対策を実施しましょう。

  1. セキュリティ診断の実施
    サイト全体のセキュリティ診断をおこない、脆弱性を特定する。


  2. 脆弱性の優先順位付け
    診断結果をもとに発見された脆弱性のリスクレベルを評価し、優先順位を決定する。


  3. 対策計画の立案
    各脆弱性に対する具体的な対策を計画する。(システムアップデート、ファイアウォールの強化、アクセス権限の見直しなど)


  4. 対策の実施
    技術チームと連携し、システムのアップデートや設定変更を迅速におこなう。


  5. セキュリティポリシーの見直し
    新たに導入した対策に合わせて内部のセキュリティポリシーや手順を更新し、全従業員に周知徹底する。

 

定期的なセキュリティチェックと改善

ECサイトの安全性を維持するためには、定期的なセキュリティチェックと改善が欠かせません。セキュリティ対策は一度おこなえば終わりではなく、常に新たな脅威に対応するための継続的な取り組みが必要です。

  • 定期的なセキュリティ診断の実施
  • 最新セキュリティ情報の収集による対策のアップデート
  • 全従業員に対する定期的なセキュリティ教育の実施

これらの取り組みで情報漏洩のリスクを最小限に抑え、顧客に信頼される安全なECサイト運営を実現しましょう。

 

まとめ:セキュリティ対策をしてECサイトを守ろう

ECサイトのセキュリティ対策は企業の存続と顧客の信頼を守るために極めて重要です。

セキュリティ対策と一口に言っても、SSL証明書の導入やアップデートの定期的な実施、強力なパスワードの設定、不正アクセス対策の強化など、やるべきことは多岐に渡ります。

しかし、セキュリティ対策は企業の成長と顧客満足度の向上に直結する問題です。対策を実践し継続的に改善することで、安全で信頼性の高いECサイト運営を目指しましょう。

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