Amazon DSP活用ガイド:ファネル全体を設計する戦略的広告手法

Amazon DSP広告とは?

ECの成長を支える「認知施策」の新定番

Amazon広告を使いこなしてきたEC担当者にとって、次なる課題は「いかにブランド認知を広げ、新規顧客を増やし続けるか」に尽きるはずです。
検索ボリュームや指名検索に依存した戦術には限界があり、従来型のスポンサープロダクトだけでは新規開拓の天井が見えてきたと感じる声も少なくありません。

このような状況で、いま注目されているのが「Amazon DSP(Demand-Side Platform)」です。
EC成長戦略の上流を担うこの広告施策は、単なる拡張ではなく、“検索前の出会い”を戦略的に設計するためのメディア投資と位置づけるべき存在です。

Amazon DSP広告の構造と強み

ファーストパーティデータによる高精度配信

Amazon DSPは、Amazonが保有するファーストパーティデータを活用し、ユーザーの購買・閲覧・検索・行動履歴に基づいた高精度なターゲティングを可能にします。
年齢・性別・世帯構成・子供の有無・購入履歴・閲覧履歴・カート追加・削除などをセグメント化し、”30日以内にベビー用品を閲覧した20代女性”といったようにピンポイントで広告を出稿できる設計です。

また、配信先はAmazon内にとどまらず、Twitch、IMDb、FireTV、Alexa、提携ニュースメディアなど外部にも拡張可能。
“Amazonの外にいるAmazonユーザー”にリーチできる唯一の手段と言っても過言ではありません。


スポンサーディスプレイ広告との比較

比較項目 スポンサーディスプレイ広告 Amazon DSP
外部配信 一部対応(選択不可) 完全対応(コントロール可能)
セグメント精度 広義カテゴリベース 属性×ASINベースで高精度
配信設計 自動配信が主 期間・タイミング別に制御可能
リンク先 Amazon内のみ Amazon外も設定可能

DSPは単なる上位互換ではなく、ファネル全体を俯瞰して設計する中長期のマーケティング施策に適した広告基盤です。

 

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実践的な活用パターン3選

1. 潜在層への認知施策(動画・静止画)

TwitchやFireTVなどのAmazon外メディアに向けて、15秒動画やバナーを配信。スポンサープロダクトでは接点を持てない新規ユーザーへのアプローチが可能です。

2. ASINリターゲティングによるCVR改善

過去に自社商品ページを閲覧したユーザーに対し、オフサイトでバナーを出稿。とくにセール後やプライムデー後の再訴求に強く、費用対効果を高められます。

3. 自社ECへの送客・CRM活用

DSPはリンクアウトが可能で、自社ECや会員登録LPへの誘導にも対応。Amazon内で獲得できなかったユーザーを再接触し、LTV重視の戦略にも組み込めます。


導入上の注意点とパートナー選定

Amazon DSPは自社運用不可であり、Amazon認定の代理店やAmazon本体との契約が必要です。月額予算の目安は100万〜300万円以上、インプレッション課金制であり、設計と運用の熟練度が求められます。

パートナー選定においては、以下のポイントを重視しましょう。

  • ASIN単位の広告設計ができるか
  • eコマース広告(ReC)に対応しているか
  • 動画・静止画クリエイティブの制作力があるか

 

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ROAS偏重からの脱却:DSPのKPIは“指名検索”

DSPはCV至上主義の広告手法ではありません。中長期でのブランド構築・見込み客の育成に強みを発揮します。代表的なKPIは以下のとおりです:

  • 指名検索ボリュームの変化
  • 商品ページへの流入率
  • Amazon内CVの増加(相乗効果)
  • 新規顧客の割合増加
  • Amazon Attribution経由のコンバージョン

“検索される前に出会う”広告設計へ

Amazon DSPは、「検索に応じて広告を出す」従来の広告手法ではなく、「検索される前に認知を作る」アプローチを実現します。潜在層にリーチし、態度変容を促すことで、後の指名検索や購入につながるという点で、ブランド設計の起点となる広告です。

今後のECマーケティングでは、ファーストパーティデータの活用と外部メディアの融合が不可欠です。Amazon DSPはその両軸を備えた、極めて戦略的な広告プラットフォームと言えるでしょう。

国内でも僅かしかいないAmazon DSP広告、そしてAMSの活用が弊社では可能です。お気軽にご相談ください。

 

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