
TikTok(ティックトック)の国内アクティブユーザー数は3,300万人を超え、特にZ世代やミレニアル層から高い支持を受けています。
これまで“エンタメSNS”として認識されていたTikTokが、今やECの世界でも存在感を急速に強めています。
その大きな要因が、アプリ内で直接商品の購入まで完結できる新機能「TikTok Shop(ティックトックショップ)」の登場です。
海外ではすでに実装されていたこの機能が、2025年6月11日に日本でも正式リリースされました。
本記事では、TikTok Shopの仕組み、提供機能、海外事例、日本市場への影響、TikTok Shop 日本版の構築・立ち上げ方法、導入メリットや作成時の注意点まで、幅広く詳しく解説していきます。
TikTok Shopとは?発見型購買行動を促す次世代型EC
TikTok Shopとは、TikTok(Bytedance社)が提供するEC機能で、TikTokアプリ内で商品閲覧から決済・購入までをワンストップで完結できるのが大きな特長です。
ユーザーはショート動画やLIVE配信を楽しみながら、動画内の商品リンクをタップするだけで、そのまま購入まで進むことができます。
このような体験は、Google検索やAmazon内検索など“目的型”の購買とは異なり、「たまたま出会った商品をその場で買う」“発見型”の購買行動を促します。
いわゆる「ディスカバリーコマース(Discovery Commerce)」と呼ばれ、Z世代を中心に支持が広がっています。
日本での提供予定と各国の展開状況
TikTok Shopは2025年6月11日より日本国内での提供が正式に開始されました。
これにより、TikTokユーザーはアプリ内でショート動画やLIVE配信を視聴しながら、その場で商品を選んで購入できる環境が整いました。
すでに米国・英国・インドネシア・タイなど15以上の国と地域で先行導入されており、それぞれの市場で成功事例が多数報告されています。
たとえば、アメリカでは初期手数料を抑えることでD2Cブランドの参入を促し、イギリスでは美容や食品カテゴリのクリエイターコマースが浸透。
こうした事例を踏まえ、日本でも類似領域からTikTok Shopの活用が広がることが期待されています。
TikTok Shopの主な機能一覧
TikTok Shopには、SNS上での購買体験をスムーズに完結させる複数の機能が備わっています。
- Shoppable Video
ショート動画内に商品リンクを埋め込み、動画視聴から即購入が可能
- LIVE Shopping
ライブ配信中に商品紹介+購入導線を実装
- Product Showcase
プロフィール画面に商品一覧を常時掲載
- Shopタブ
TikTok内で商品を検索・比較・購入できるマーケットプレイス的機能
- アフィリエイト連携
TikTokクリエイターが企業商品の紹介動画を投稿し、売上に応じて報酬を得る仕組み
- Shop Ads
TikTok広告と連携し、動画・LIVE・商品単位での広告出稿が可能
- FBT(Fulfilled by TikTok)
TikTokによる物流代行(倉庫・発送まで)
これらの機能により、ブランドや中小事業者でも低コストでEC展開が可能になります。
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TikTok Shopの費用構造と海外比較
日本におけるTikTok Shopの手数料体系は、初期費用・月額利用料が無料で、成果報酬型の販売手数料が発生するモデルです。具体的な料率は商品カテゴリやキャンペーン施策によって異なりますが、現時点では5%前後からの設定が一般的となっています。
海外の事例では以下のような傾向があります:
- 米国:販売手数料約8%。初期は割引キャンペーンあり。
- 英国:開始時は5%、現在は最大9%へ引き上げ。
- 東南アジア諸国:商品カテゴリ別に5〜20%で変動。
多くの国で共通しているのは、成果報酬型モデルによって事業者のリスクを最小限に抑えつつ、段階的なスケールが可能な点です。日本でもこの柔軟な設計が導入されており、新規参入のハードルは比較的低いといえます。
なぜ今、TikTok Shopが注目されているのか
- 未認知層への圧倒的リーチ:GoogleやAmazonとは異なり、検索を伴わない発見型アプローチで“知らなかった商品”との出会いを創出。
- コンテンツ訴求力の高さ:動画・LIVEによる感情訴求で、商品特徴を視覚・感覚的に伝えられる。
- 可視化された効果測定:購入データをもとに、SNS施策の売上貢献度が明確に。
動画×購買行動が融合した「売れる仕組み」として、マーケティング・販売部門の双方から期待が寄せられています。
実践企業に学ぶTikTok Shop活用法
小規模菓子メーカーながら、TikTok Shop×広告運用で24,000ドルの売上、ROAS2倍超を記録。
オーラルケアブランド。Shop Adsとアフィリエイトを組み合わせ、3ヶ月で100万ドルのGMVを突破。CPAは自社EC比で80%削減。
いずれも、“広告+Shop連携+クリエイター”の3要素をうまく活用し、成長を実現しています。
ShopifyとInstagramは、現代のビジネスにおいて非常に重要な存在となっています。Shopifyは、オンラインストアを簡単に作成し、運営することができるプラットフォームであり、Instagramは、数十億人のユーザ[…]
導入に向けた準備と注意点
- 商品カテゴリの選定:動画で訴求しやすい商品(美容・食品・アパレル)
- 在庫・配送:FBT活用 or 自社発送体制の検討
- 契約面:アフィリエイトクリエイターとの条件整理、著作権管理
- 社内体制:動画制作担当、SNS対応、数値分析担当の配置
特にアフィリエイト運用では、成果測定や報酬設計を明確にしておくことがトラブル防止のカギになります。
また、TikTok Shop立ち上げ初期には、ショップ構築や商品登録、動画作成フローを整える社内体制も重要です。
よくある質問(FAQ)
ショート動画やライブ配信に商品リンクを埋め込み、ユーザーは外部サイトへ遷移せず、そのまま購入手続きが可能です。
正式な開始日はTikTokの公式発表に基づいてご確認ください。
発生するのは販売手数料のみで、国やカテゴリによって5〜20%程度に設定されています(日本では5%前後からが想定されます)。
特に美容、食品、アパレル、ガジェットなどが好相性とされます。
動画の訴求力を活かした商品紹介と、PDCAを意識した運用がポイントです。
環境意識の高まりとともに、企業のサスティナブルな取り組みが注目を集めています。特に梱包資材の選定は、環境負荷を軽減し、持続可能なビジネスモデルを構築するための重要な要素です。 本記事では、SDGs目標達成に貢献するサスティナブ[…]
まとめ:ECの未来に備えるなら今が好機
TikTok Shopは「見て、知って、買う」を一連の体験として提供する、新しいソーシャルコマースのかたちです。
Z世代に支持される理由は、利便性だけでなく、感覚的な“共感”や“楽しさ”が購買に直結しているからです。
今後は、楽天・Amazon・自社ECに加えて、TikTok Shop(ティックトックショップ/TikTok Shop 日本版)を取り入れたマルチチャネル戦略が主流になると考えられます。
先行者優位を築ける今こそ、社内体制とコンテンツ力を強化し、新たな販路としてのTikTok Shop活用に踏み出しましょう!