Google Analytics 4（GA4）は、従来のユニバーサルアナリティクス（UA）から大幅に進化したウェブ解析ツールです。特に、ユーザーの行動を詳細に追跡できる「イベント機能」は、マーケティング戦略の要となります。本記事では、GA4のイベント数の基本から具体的な設定方法、分析手法までを詳しく解説します。
これにより、効果的なデータドリブンマーケティングを実現し、ビジネスの成功へと導くための知識が得られるでしょう。GA4の活用法をマスターして、データ解析の新しいステージへ進んでください。
GA4のイベントとは
GA4のイベントは、ユーザーのインタラクションを詳細に追跡するための主要な要素です。ユニバーサルアナリティクスとは異なり、GA4では全てのデータがイベントとして記録されます。ここでは、GA4のイベントの定義とユニバーサルアナリティクスとの違いについて解説します。
GA4のイベントの定義
GA4におけるイベントは、ユーザーがウェブサイトやアプリで行ったすべてのアクションを指します。これには、ページビュー、クリック、スクロールなどが含まれます。イベントは、ユーザーの行動を詳細に把握するための基本単位です。
GA4とUAのイベントの違い
ユニバーサルアナリティクスでは、イベントは特定のインタラクション（例えば、動画再生やボタンのクリック）に限定されていました。一方、GA4ではすべてのデータがイベントとして収集されるため、より詳細で包括的なデータ解析が可能です。この違いにより、マーケティング担当者はユーザー行動の全体像をより正確に把握できます。
GA4のイベントの種類
GA4では、さまざまな種類のイベントを利用してユーザー行動を追跡できます。これには、自動収集イベント、拡張計測機能イベント、推奨イベント、カスタムイベントが含まれます。それぞれのイベントタイプについて詳しく見ていきましょう。
自動収集イベント
自動収集イベントは、GA4が自動的に収集するイベントです。自動で収集されるイベントには、以下のようなものがあります。
- 初回訪問 （first_visit）
- 訪問回数 （session _ start）
- 画面の遷移 （screen_view）
- 広告の表示回数 （ad_impression）
- 広告のクリック回数 （ad_click）
特別な設定をしなくても、GA4がデフォルトで収集するため、すぐに利用可能です。
拡張計測機能イベント
拡張計測機能イベントは、GA4の管理画面で簡単に有効化できる追加のイベントです。以下のようなものがあります。
- ページビュー （page_view）
- スクロール数 （scroll）※ページの90%までスクロールした場合に計測
- 離脱クリック （click）※外部ページへ遷移するクリックをした場合に計測
- サイト内検索 （search_term）
- 動画の再生 （video_start）
- ファイルダウンロード（file_download）
- フォームの送信 （form_submit）
これらのイベントを有効にすることで、より詳細なユーザー行動データを得ることができます。
推奨イベント
推奨イベントは、Googleが特定のユースケースに基づいて推奨するイベントです。これには、購入、サインアップ、検索など、一般的なビジネスゴールに関連するイベントが含まれます。推奨イベントを使用することで、標準化されたデータ収集が可能になり、解析が容易になります。Googleが公式で推奨しているのは、以下のようなものです。
➀すべてのプロパティにおいて推奨
- ユーザーのログイン（login）
- 購入完了（purchase）
- 広告表示（ad_impression）
②オンライン販売において推奨
- 購入手続きの開始（bigin_checkout）
- お問い合わせフォームまたはリクエストの送信（generate_lead）
- カート商品の削除（remove_from_cart）
- 商品やサービスのリスト表示（view_item_list）
③ゲーム関係において推奨
- ゲームで新しいレベルでの開始（level_start）
- ゲームでのレベルアップ（level_up）
- コンテンツの選択（content_select）
- チュートリアルの開始（tutorial_begin）
カスタムイベント
カスタムイベントは、特定のビジネスニーズに合わせて独自に定義するイベントです。特定のアクションやインタラクションを追跡するために使用され、GA4の柔軟性を最大限に活用できます。カスタムイベントを設定することで、ビジネスに最も関連性の高いデータを収集できます。
GA4の自動収集イベントの拡張計測機能をオンにする方法
GA4では、自動収集イベントに加えて、拡張計測機能をオンにすることでさらに多くのイベントを追跡できます。ここでは、その手順を詳しく解説します。
管理画面からデータストリームを開く
まず、GA4の管理画面にアクセスし、該当するプロパティのデータストリームを開きます。データストリームは、ウェブサイトやアプリからデータを収集するための設定です。
ウェブストリームを選択する
次に、データストリームの一覧からウェブストリームを選択します。ウェブストリームは、ウェブサイトからのデータを収集するための設定であり、ここで拡張計測機能を有効にします。
計測したいイベントを選ぶ
ウェブストリームの設定画面で、拡張計測機能のセクションに移動します。ここで、計測したいイベントを選択して有効にします。例えば、動画の再生、スクロールの深さ、ファイルのダウンロードなどが選択可能です。
推奨イベント・カスタムイベントの設定方法
GA4では、推奨イベントやカスタムイベントを設定することで、より詳細なデータ解析が可能です。ここでは、GA4の管理画面およびGoogleタグマネージャー（GTM）での設定方法を説明します。
GA4の管理画面で設定する方法
GA4の管理画面にアクセスし、イベント設定セクションに移動します。ここで、推奨イベントまたはカスタムイベントを追加します。イベント名やパラメータを指定し、適切なトリガーを設定して保存します。
GTMで設定する方法
Googleタグマネージャー（GTM）を使用することで、より柔軟にイベントを設定できます。GTMの管理画面で新しいタグを作成し、GA4イベントタグを選択します。イベント名とパラメータを入力し、適切なトリガーを設定しましょう。最後に、タグを公開して設定を完了します。
GA4で計測したイベントを確認する方法
GA4で計測したイベントを確認する方法は複数あります。ここでは、GA4のイベントメニューとGoogleタグマネージャー（GTM）でタグの発火を確認する方法について解説します。
イベントメニューで確認する方法
GA4の管理画面にアクセスし、左側のナビゲーションメニューから「イベント」を選択します。ここで、計測されたすべてのイベントの一覧を確認可能です。各イベントの詳細データや関連するパラメータも確認できるため、ユーザー行動の分析に役立ちます。
GTMでタグの発火を確認する方法
Googleタグマネージャー（GTM）を使用している場合、GTMのプレビュー機能を活用してタグの発火を確認できます。GTMの管理画面で「プレビューモード」をオンにし、サイトを操作すると、設定したタグが正しく発火しているかどうかをリアルタイムで確認できます。
GA4でのイベント数の見方と分析方法
GA4では、イベント数の確認と詳細な分析が可能です。ここでは、イベント数の確認方法と、イベントレポートやカスタム分析の方法について解説します。
イベント数の確認方法
GA4の管理画面にアクセスし、左側のナビゲーションメニューから「イベント」を選択します。ここで、各イベントの発生回数を確認できます。イベントの発生タイミングやユーザー属性などの詳細情報も確認できます。
イベントレポートの使い方
イベントレポートでは、特定のイベントに関する詳細なデータを確認できます。例えば、イベントの発生時間帯、デバイスごとの発生頻度、ユーザーの地理的情報などが含まれます。これにより、ユーザー行動のトレンドやパターンを把握できます。
イベント数のカスタム分析
GA4のカスタム分析機能を使用することで、特定の条件に基づいた詳細なイベント分析が可能です。例えば、特定のキャンペーン期間中のイベント数を比較したり、特定のユーザーセグメントの行動を分析したりすることができます。カスタム分析を活用することで、ビジネスの意思決定に役立つ具体的なインサイトを得ることができます。
GA4のイベント数指標の解説
GA4には、イベント数に関するさまざまな指標があります。ここでは、これらの指標の一覧と各指標の意味、具体的な分析例について解説します。
イベント数の指標一覧
GA4では、イベント数に関する指標として、「合計イベント数」「ユニークイベント数」「イベント値」などが提供されています。これらの指標を組み合わせることで、ユーザー行動の詳細な理解が可能です。
各指標の意味と使い方
「合計イベント数」は、特定の期間内に発生したすべてのイベントの総数を示します。「ユニークイベント数」は、重複を排除したユニークなイベントの数です。「イベント値」は、各イベントに割り当てられた価値を示し、ビジネス目標達成度の評価に役立ちます。
具体的な分析例
例えば、Eコマースサイトでの分析では、「購入イベント」の合計イベント数やユニークイベント数を確認し、購入プロセスの効果を評価します。また、特定のキャンペーン期間中のイベント値を分析することで、キャンペーンのROIを評価することができます。
イベント数の最適化と改善方法
GA4でイベント数を最適化し、データを活用する方法について解説します。ここでは、イベントの設定とカスタマイズ、イベント数の増やし方、イベントデータの活用方法について説明します。
イベントの設定とカスタマイズ
GA4では、イベントの設定とカスタマイズが可能です。ビジネス目標に合わせてイベントを設定し、必要なデータを正確に収集します。カスタマイズしたイベントは、GA4の管理画面やGTMで設定できます。
イベント数の増やし方
イベント数を増やすためには、ユーザーエンゲージメントを高めることが重要です。具体的には、サイトやアプリのユーザーインターフェースを改善し、ユーザーが操作しやすい環境を提供します。また、キャンペーンやプロモーションを実施して、ユーザーのアクションを促進します。
イベントデータの活用方法
収集したイベントデータを活用することで、マーケティング戦略を最適化できます。例えば、イベントデータを分析してユーザー行動のトレンドを把握し、ターゲットマーケティングを強化可能です。また、データに基づいたA/Bテストを実施して、サイトやアプリのパフォーマンスを改善します。
事例紹介：成功したイベント数の活用法
実際の事例を通じて、GA4のイベント数を効果的に活用した方法を紹介します。ここでは、Eコマースサイト、B2Bサイト、ブログサイトの事例を取り上げます。
事例1：Eコマースサイトでの活用
あるEコマースサイトでは、GA4のイベントデータを活用して購入プロセスの最適化を図りました。具体的には、カート追加イベントや購入完了イベントのデータを分析し、ユーザーが離脱するポイントを特定したのです。その結果、購入プロセスを改善し、コンバージョン率を向上させました。
事例2：B2Bサイトでの活用
あるB2Bサイトでは、GA4のイベントデータを活用してリードジェネレーションを強化しました。問い合わせフォームの送信イベントやダウンロードイベントのデータを分析し、最も効果的なコンテンツやキャンペーンを特定しました。その結果、リード獲得数を増加させ、営業チームのパフォーマンスが向上したのです。
事例3：ブログサイトでの活用
あるブログサイトでは、GA4のイベントデータを活用して読者エンゲージメントを向上させました。記事のスクロールイベントやクリックイベントのデータを分析し、読者が最も興味を持つコンテンツを特定できた結果、サイトの滞在時間が延び、ページビュー数が増加しました。
GA4を活用した効果的なデータドリブンマーケティング
GA4を活用してデータドリブンマーケティングを実践する方法について解説します。ここでは、データドリブンマーケティングの概要と、GA4のデータをマーケティングに活かす方法、イベント数を基にした戦略立案について説明します。
データドリブンマーケティングとは？
データドリブンマーケティングとは、データに基づいてマーケティング戦略を立案・実行する手法です。データを活用することで、より効果的で効率的なマーケティング活動が可能になります。GA4は、データドリブンマーケティングを実現するための強力なツールです。
GA4のデータをマーケティングに活かす方法
GA4のデータを活用することで、ターゲットオーディエンスの行動や嗜好を詳細に把握できます。例えば、ユーザーの行動データを基にパーソナライズされたコンテンツを提供し、エンゲージメントを向上させることも可能です。また、キャンペーンの効果をリアルタイムでモニタリングし、必要に応じて戦略を調整します。
イベント数を基にした戦略立案
イベント数のデータを基に、具体的なマーケティング戦略を立案します。例えば、イベントデータを分析して、最も効果的なチャネルやコンテンツを特定します。その上で、リソースを集中させて効率的なマーケティング活動を展開するのです。GA4のデータを活用することで、ビジネスの成果を最大化できます。
まとめ
この記事では、GA4の基本的な概要から、イベント数の重要性や具体的な設定方法、活用事例までを詳しく解説しました。GA4を効果的に活用することで、データドリブンなマーケティング戦略を実現し、ビジネスの成功に繋げることができます。次のステップとして、実際にGA4を導入し、継続的にデータを分析して改善を図りましょう。
