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チャージバック不正利用の実態に迫る!仕組みと企業が取るべき対策

チャージバックは、EC事業者にとって大きな課題のひとつです。不正利用によるチャージバックが増加する中、その仕組みを理解し、効果的な対策を講じることが急務となっています。

この記事では、チャージバックの基本的な仕組みから不正利用の実態、企業が取るべき具体的な対策までを詳しく解説。ビジネスを守り、顧客満足度を高めるための有効な手段を学びましょう。

チャージバックの概要と不正利用による損失

チャージバックは、消費者保護のために設けられた重要な制度ですが、EC事業者にとっては思わぬ損失を招くリスクがあります。特に、クレジットカードの不正利用や配送トラブルが発生した場合、その影響は甚大です。

このセクションでは、チャージバックの仕組みと不正利用による損失について掘り下げて解説します。チャージバックのリスクを理解し、ビジネスを守るための具体的な対策を見つけましょう。

 

チャージバックとは?商品は返ってくる?

チャージバックとは、クレジットカード会社が売上を取り消して消費者に返金する制度です。これは、クレジットカードの不正利用に対する消費者保護の一環として設けられている制度ですが、事業者にとっては大きなリスクとなり得ます。

消費者がチャージバック申請をおこない、クレジットカード会社がそれを認めた場合、加盟店は正当な反証を出せない限り返金しなければなりません。特にECにおける取引では、チャージバックに応じると売上が回収できなくなることに加えて、発送した商品の返品対応が発生します。

さらに、カードの不正利用によるチャージバックでは、商品が返ってくることはほぼないでしょう。その結果、二重の損失となることも考えられます。

 

チャージバック申請の主な理由

消費者がチャージバックを申請する主な理由としては、クレジットカードの不正利用、配送問題、サービスに対する不満などが挙げられます。

まず、不正利用によるチャージバックは、クレジットカード情報の盗難や詐欺が原因です。例えば、カード情報が第三者に悪用され、不正な購入がおこなわれた場合に、消費者は異議を申し立てます。

また、配送問題によるチャージバックも少なくありません。商品が届かなかったり誤った商品が届いたりした場合、消費者は返金を求めるのが一般的です。

さらに、購入した商品やサービスが期待に反した場合も、チャージバックの理由となります。

 

チャージバックの発生期間

チャージバックの発生期間とは、消費者がクレジットカードの取引に対してチャージバックを申請できる期間のことです。具体的な発生期間はクレジットカード会社により異なりますが、一般的には取引日から120日間程度が多いとされています。

ただし、チャージバックの発生期間はあくまでも基準であり、特定の状況や理由によっては120日以内でも認められないケースや、120日を過ぎても認められるケースもあります。

 

チャージバック実施までのプロセス

チャージバックのプロセスには、顧客の異議申し立てから始まり最終的な決定が下されるまで、いくつかのステップがあります。

このセクションでは、チャージバックがおこなわれる具体的な流れについて詳しく見ていきます。適切な対策を講じるために、それぞれのステップを理解し、チャージバック対応の全体像を把握しましょう。

 

消費者による異議申し立て

消費者がクレジットカードの明細書に不審な取引を見つけた場合、まずクレジットカード会社に異議申し立てをおこないます。

この際、消費者は取引の詳細や理由を説明し、必要な証拠を提出します。例えば、商品が届かなかった、品質が期待に反していた、または不正利用が疑われるなどです。

クレジットカード会社はこの情報を基に調査を開始します。調査には、提供された証拠や取引内容を確認するプロセスが含まれるため、消費者はできるだけ詳細な情報を用意する必要があります。

 

クレジットカード会社による通知

チャージバックが必要という判断が下されると、クレジットカード会社は加盟店にチャージバックの通知をおこないます。

加盟店はこの通知を受け取ったあと、受入・反証どちらの対応を取るかを決定します。受入は異議を認めて返金をおこなうこと、反証は正当性を証明するための証拠を提出して売上を請求することです。

ここでいう証拠とは、配送の追跡情報や消費者とのコミュニケーション履歴などを指します。加盟店側は取引が正当であることを証明するために、できるだけ多くの証拠を提供することが大切です。

クレジットカード会社はこれらの証拠を基に、消費者の主張と加盟店の主張を比較し、最終的な判断を下します。

 

チャージバックの実施

クレジットカード会社が消費者側の主張を認めた場合はチャージバックが実施され、取引金額が消費者に返金されると同時に、加盟店の売上が取り消されます。なお、チャージバックが実行される際、すでに入金されている取引については、クレジットカード会社への返金対応が必要です。

逆に加盟店側の主張が認められた場合は、取引は有効とされ、消費者の異議申し立ては却下されます。ただ、加盟店がチャージバックに対して反証をおこない、さらにそれが認められるケースはあまり多くありません。

 

チャージバック増加の背景

チャージバックの増加は、EC事業者にとって深刻な問題です。その背景には、クレジットカードの不正利用、ECの拡大による取引の多様化、そして新たなチャージバックルールの導入があります。

このセクションでは、チャージバックが増加する具体的な理由とその影響について探ります。なぜチャージバックが増えているのか、その原因を理解することで、効果的な対策を講じる手助けになるでしょう。

 

クレジットカードの不正利用や悪用の増加

クレジットカードの不正利用や悪用の増加は、近年深刻な社会問題となっています。

セキュリティ対策が厳重になる一方で、犯罪者も巧妙化し、不正検知システムをくぐり抜けての不正利用が後を絶ちません。クローンカードの製造やオンラインショッピングでの不正利用はその最たる例です。

このような不正利用は、チャージバック件数増加にもつながっており、返金手続きや手数料負担などでクレジットカード会社や加盟店のコスト負担が増しています。

 

ECにおけるCtoC取引や転売の活発化

EC取引では、カード番号とセキュリティコードさえあれば決済がおこなえてしまうため、簡単に不正利用ができてしまいます。実店舗のように対面でのやりとりも必要なく、不正利用のハードルが非常に低いのです。

また、ECにおけるCtoC取引や転売の活発化も無関係ではありません。特に転売市場では、商品の真贋や品質が不透明な場合があるため、消費者によるチャージバック申請が発生しやすくなっています。

 

チャージバックの国際ルール導入

2013年にチャージバックの国際ルールが導入されたことも、チャージバック増加に大きな影響を与えたと考えられます。

従来、日本ではチャーバック申請が発生すると、クレジットカード会社と加盟店が協議のうえで対応をおこなっていました。しかし、新しく導入された国際ルールでは、クレジット会社は加盟店との協議なしに、不正利用に対する支払いを拒否することができます。

国際ルールの導入は、チャージバックの迅速化や消費者保護の強化には良い影響を与えたといえるでしょう。しかし、加盟店にとってはチャージバックの件数が増加し、対応が難しくなるという課題が生じています。

 

チャージバックが発生した場合の処理方法3つ

チャージバックが発生した際、EC事業者にはいくつかの対応方法があります。被害を最小限に抑えるためには、その時々で適切な対応を選ぶことが重要です。

このセクションでは、チャージバック発生時に取るべき3つの主要な対応方法について詳しく見ていきます。それぞれの選択肢がどのように機能するかを知り、最適な対応策を選べるよう備えましょう。

 

チャージバックを受け入れて返金する

チャージバックを受け入れることは、顧客満足度向上や返金処理をスムーズにするというメリットがあります。顧客にとっては、商品やサービスに不満があった場合でも返金を期待できるため、取引に安心感が生まれます。

一方で、企業にはチャージバックが不正利用されるリスクも存在します。そのため、チャージバックの受け入れを検討する際には、効果的な対策を講じてリスクを最小限に抑えつつ、顧客満足度を高める取り組みが求められます。

 

顧客対応によりチャージバックを回避する

顧客とのコミュニケーションを強化して、チャージバックを回避する方法も効果的です。

具体的には、商品やサービスの内容を明確に説明し、返金ポリシーをはっきりと伝えることで、顧客が納得した状態で取引を進められるようにします。さらに、顧客にとって不明瞭な点や疑問点があれば、迅速かつ丁寧に対応することも重要です。

また、チャージバックが発生した場合でも、迅速に対応して問題を解決する姿勢を見せることで、顧客が異議を取り下げる可能性もあります。顧客への適切な情報提供や十分な配慮を怠らず、円滑なコミュニケーションを心がけることが、チャージバックを回避するコツです。

 

資料提出でチャージバックに異議を唱える

チャージバックの大半は正当な理由に基づいたものですが、中には不正にチャージバックを受けるケースも見られます。不正なチャージバックに対する反証は、企業が自社の利益を守るための重要な手段です。

異議を唱える際は、クレジットカード所有者の購入であることや、商品を受け取っていることを証明する資料を提出する必要があります。反証に利用できる資料の例は次のとおりです。

  • 購入者の情報
    氏名、住所、電話番号、生年月日、メールアドレスなど


  • 配送証明
    追跡番号が記載された配送伝票や特定記録郵便の控え


  • 利用者とのコンタクト履歴
    メールやチャットの履歴、電話の記録など


  • 取引の承認証拠
    署名入りの領収書や取引の承認を示す書類


  • 不正防止措置の証拠
    住所確認やセキュリティコードの確認をおこなった記録


  • 商品・サービスの使用履歴
    デジタル製品の場合はダウンロード証明など

 

チャージバックリスクを減らす取り組み4つ

チャージバックはEC事業者にとって避けられない課題ですが、効果的な対策を講じることでリスクを大幅に減らすことができます。

このセクションでは、事業者が取り組むべき4つの主要なチャージバック対策を紹介します。具体的な対策方法を理解して実践することで、チャージバックの発生を防ぎビジネスの健全な運営を維持しましょう。

 

3Dセキュア(本人認証サービス)の導入

EC事業者がチャージバックを防ぐための重要な取り組みのひとつが、本人認証サービスである3Dセキュアの導入です。3Dセキュアを導入すると、カード決済時にクレジットカード会社での認証を経由するかたちで、本人確認がおこなわれます。

ただ、3Dセキュアの導入は、認証の手間が増えることによる「かご落ち率の増加」というリスクもはらんでいます。かご落ち率とは、ECサイトで商品をカートに入れたものの、購入手続きを完了せずに離脱してしまう割合です。

3Dセキュアを導入しつつ、かご落ち率の増加を防ぎたい場合は、不正利用の疑いがあるときのみ追加認証が求められる「リスクベース認証」を選択すると、セキュリティと利便性を両立できます。

 

セキュリティコードによる券面認証

セキュリティコードは、クレジットカードやデビットカードなどの決済カードに記載された3桁もしくは4桁の数字です。券面認証では、決済時にセキュリティコードを入力させることで、カードの物理的な所持を確認できます。

なぜなら、セキュリティコードはカードの磁気情報として記録されていないため、カードリーダー等によるスキミングの心配がないからです。当然、カード利用伝票や明細書などにも記載されません。

ただ、クレジットカード自体が第三者の手に渡ると簡単に突破されるため、万全のセキュリティ対策とは言い難いのも事実です。

 

不正検知システムの活用

不正検知システムを導入することで、異常な取引を迅速に検知し、チャージバックのリスクを軽減できます。これらのシステムは取引データをリアルタイムで監視し、不審なパターンを検出します。

例えば、高額な購入や異常な頻度の取引が発生した場合、アラートを発して取引を一時停止することができます。さらに、過去のデータを分析し、将来の不正行為を予測する機能を備えているものも少なくありません。

不正検知システムを導入する際には、企業のニーズやリスクプロファイルに応じて、適切なシステムを選ぶことが重要です。

 

チャージバック保険への加入

チャージバック保険はチャージバックが発生した際に、その損失を補償するための保険です。

保険料はかかりますが、突然の返金要求に備えてビジネスを保護し、リスクを最小限に抑えることができます。特に高額な取引をおこなう事業者は、チャージバック発生時の損害が大きいため、チャージバック保険の活用は有益な方法といえるでしょう。

チャージバック保険に加入する際は信頼性の高い保険会社を選び、カバー範囲や支払い条件を丁寧に比較検討することが大切です。

 

チャージバックに関するよくある質問

チャージバックについては、基本的な疑問や不安を抱える事業者も少なくありません。

このセクションでは、チャージバックに関するよくある質問を取り上げ、簡潔に回答します。チャージバックの基本を理解し、適切な対応策を講じるための知識を獲得しましょう。

 

チャージバックは法的な制度なのですか?

チャージバックは、法的な制度ではありません。クレジットカード会社が提供するサービスのひとつであり、クレジットカード会社の規定に基づいて運用されています。

とはいえ、加盟店がチャージバックに応じないということは認められません。最悪の場合、法的措置を取られる可能性もあるので、チャージバックの通知が来たら迅速かつ真摯に対応しましょう。

チャージバックの仕組みはカード会社の規定により細かく定められているため、事業者はこれらの内容をしっかり理解しておくことが重要です。

 

チャージバックは拒否できますか?

チャージバックが拒否できるのは、基本的に反証が認められた場合のみです。そのため、チャージバックを拒否する際は、クレジットカード会社の規定や契約内容に基づいて、正当な理由と証拠を提出する必要があります。

しかし、証拠資料の準備は手間も時間もかかり、反証が認められるケースもそう多くはありません。そのため、反証にコストやリソースを割くよりは、チャージバックを防ぐ取り組みに投資する方がおすすめです。

不正感知システムの導入や顧客認証プロセスの強化でチャージバックの発生を未然に防ぎ、企業のリスクを軽減しましょう。

 

まとめ:効果的なチャージバック対策でビジネスを守ろう

チャージバックのリスクはEC事業者にとって避けられない課題ですが、適切な対策を講じることでその影響を最小限に抑えることができます。システム整備やセキュリティ強化、顧客とのコミュニケーションを重視しながら、継続的に改善を図ることが重要です。

また、従業員の教育やトレーニングを通じて、不正行為の早期発見と対応能力を高めることも有効です。しっかりと対策を講じ、安心して取引を続けられる環境を整えましょう。

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