物流業務は、あらゆるビジネスにおいて欠かせない要素です。
しかし、自社で全ての物流業務を担うことはコストや人材の面で大きな負担となることがあります。
そこで注目されているのが物流アウトソーシングです。
物流アウトソーシングの活用は、自社の物流業務の一部、または全てを専門の物流業者に委託することで、自社の負担を軽減させ効率化に繋がる有効な手段となります。
本記事では、物流アウトソーシングのメリット・デメリット、費用、導入事例など、物流アウトソーシングに関する様々な情報を詳しく解説します。
物流アウトソーシングとは?
物流アウトソーシングは、自社の物流業務を外部の専門業者に委託することで、「人手不足」「出荷件数の拡大」「保管スペースの確保」といった、自社では対応しきれなかった悩みを解決することができるサービスです。
ここでは、そのサービスの内容について紹介していきます。
物流アウトソーシングの種類
物流アウトソーシングにいくつかの種類がありますが、代表的なものとして以下の2つのサービスを紹介します。
定額系物流サービス
定額系物流サービスは、あらかじめ決められたサービス内容と料金体系で提供される物流アウトソーシングです。
その特徴となるメリットとデメリットを紹介します。
- メリット
- 料金体系が明確
サービス内容と料金があらかじめ決まっており、利用者は簡単にコストを把握できます。これにより容易な予算管理が可能。
- 手軽な利用開始
既存のプランから選択するだけで利用を開始できるため、初期投資が少なく導入のハードルが低い。
- 小規模配送に適している
小規模な配送ニーズにも対応しやすく、初めて物流アウトソーシングを利用する企業に向いている。
- 料金体系が明確
- デメリット
- 複雑な料金体系
サービス内容や料金がカスタマイズされるため、料金体系が複雑になり、比較・検討に時間がかかることがある。
- 複雑な料金体系
カスタム系物流サービス
カスタム系物流サービスは、利用する企業の状況に合わせてサービス内容をカスタマイズできる物流アウトソーシングです。
こちらのメリットとデメリットは以下の通りです。
- メリット
- 柔軟なカスタマイズ
企業の特定のニーズに応じてサービス内容をカスタマイズできるため、より効率的な運用が可能。
- 独自の物流フロー構築
自社の運用方法に合わせた物流フローを構築できるため、独自性を重視する企業に向いている。
- 柔軟なカスタマイズ
- デメリット
- 柔軟性の欠如
サービス内容が固定されているため、特定のニーズに応じたカスタマイズが難しい場合がある。
- 柔軟性の欠如
依頼できる業務内容
物流アウトソーシングで依頼できる業務内容は、以下の通りです。
- 保管業務:製品や原材料の保管。
- 入出庫業務:製品や原材料の入出庫作業。
- 梱包作業:製品のパッキングとラッピング。
- 配送業務:製品のお客さまへの配送。
- 通関手続き:海外への輸出入に関する手続き。
- その他:返品対応、在庫管理、物流システムの構築など。
物流アウトソーシングにかかる費用の目安
物流アウトソーシングの費用は、依頼する業務の範囲や企業の規模により異なり、一般的には以下の要素が費用に影響を与えます。
- 取り扱う商品の種類と量:商品のサイズや重量、保管に必要な条件によって費用が変動する。
- 依頼する業務の範囲:倉庫管理のみの依頼と、物流全体を包括的に依頼する場合では費用が異なる。
- 契約期間:長期契約の場合、コストメリットが発生することが多い。
物流アウトソーシングの費用を抑えるには?
物流アウトソーシングの費用を抑えるためには、以下の点に注意しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取って比較する。
- 業務内容を明確にする
委託する業務内容を明確にしてから依頼をする。
- シーズンや時間帯を考慮する
シーズンや時間帯によって費用が変動する場合があるので依頼する時期にも注意が必要。
- 柔軟な契約条件を交渉する
契約期間や支払い条件などを交渉する。
物流アウトソーシングを依頼するメリット
物流アウトソーシングを利用することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。
どのようなメリットがあるか解説していきます。
物流コストが削減できる
物流アウトソーシングを導入することで、自社で物流部門を維持するために必要な人件費、倉庫費、設備投資費などを削減することができます。
物流作業の品質が向上する
専門業者に委託することで、最新の技術やノウハウを活用した高品質な物流サービスを受けることが可能になります。
本来やるべき業務に集中できる
物流業務を外部に委託することで、自社はコア業務に集中することができます。
物流アウトソーシングを依頼するデメリット
物流アウトソーシングには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
デメリットの把握もとても大事になりますので、しっかり確認しておきましょう。
自社物流より柔軟な対応が取りづらい
外部の業者に委託しているため、自社で物流業務を行っている場合に比べて急な対応が難しい場合があります。
自社にノウハウが蓄積されない
物流業務を外部に委託することで、自社内に物流に関するノウハウが蓄積されにくくなります。
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物流アウトソーシング導入までの流れ
物流アウトソーシングを導入する際は、慎重な計画と準備が必要です。
ここでは、物流アウトソーシングをスムーズに導入するための具体的なステップを紹介します。
自社物流の現状と課題を洗い出す
まず、自社の物流業務の現状を徹底的に分析し、改善すべき課題を明確にすることが重要です。
- コスト:物流費の割合、変動費と固定費の比率など
- 納期:納期遵守率、遅延の原因など
- 品質:商品の破損率、顧客からのクレーム状況など
- 効率性:作業効率、在庫管理の精度など
- 人材:人員不足、スキル不足など
これらの課題を洗い出すことで、アウトソーシングによって解決できる問題が明確になります。
複数の業者に問い合わせる
次に、複数の物流業者に問い合わせを行い、自社のニーズに合った業者を探しましょう。
- 業者の実績:過去の導入事例や実績を参考に、自社の業種・規模に合った業者を選ぶ。
- サービス内容:保管、配送、梱包など、自社で委託したい業務に対応しているか確認することが大事。
- 料金体系:費用対効果を比較するために、複数の業者から見積もりを取る。
- システム連携:自社のシステムとの連携が可能か確認する。
見積もりと提案書の作成依頼をする
複数の業者から見積もりと提案書を作成してもらい、内容を比較検討しましょう。
- 費用:料金体系、追加費用など
- サービス内容:具体的なサービス内容、SLA(サービスレベルアグリーメント)など
- 納期:業務開始までの期間、移行期間など
- 体制:担当者、連絡体制など
アウトソーシング業者の比較、選定
見積もりと提案書の内容を比較し、自社のニーズに最も合致する業者を選びましょう。
- 費用対効果:費用だけでなく、サービス内容や品質も考慮して総合的に判断することが大事。
- 信頼性:会社の規模、実績、評判などを参考にする。
- 柔軟性:自社のニーズの変化に対応できる柔軟性があるかの確認も必要。
契約を締結し、委託する
選定した業者と契約を締結し、業務を委託します。
- 契約内容:契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点は必ず質問をする。
- 移行計画:現状の物流業務から新しいシステムへの移行計画を立てる。
- 教育:従業員への教育を行い、円滑な業務移管を進める。
物流アウトソーシングを依頼する際のポイント
物流アウトソーシングを依頼する際の業者選びに必要なポイントを紹介します。
実績が豊富な業者を選ぶ
過去の導入事例や実績が豊富な業者は、ノウハウが蓄積されており、安定したサービスを提供できる可能性が高いです。
対応可能な業務を確認する
保管、配送、梱包など、自社で委託したい業務に対応しているか確認しましょう。
自社システムとの連携ができるかを確認する
自社のシステムとの連携がスムーズに行えるかどうかは、業務効率化に大きく影響します。
物流アウトソーシングサービス企業3選の特徴を解説
物流アウトソーシングサービスを提供する企業は数多く存在します。ここでは、代表的な3社の事例を紹介します。
【倉庫事業100年の実績豊富な大手3PL】富士ロジテックホールディングス
富士ロジテックホールディングスは、長年の実績と豊富なノウハウを持つ大手3PLで、自動車部品や家電製品など、幅広い業界の物流をサポートしています。
強み
- 多様な業界への対応
自動車部品、家電製品など、幅広い業界の物流を長年サポートしてきた実績があり、それぞれの業界に特化したノウハウを蓄積している。
- グローバルネットワーク
海外にも拠点を展開しており、グローバルなサプライチェーンに対応可能。
- 先端技術の導入
IoTやAIなどの最新技術を積極的に導入し、物流の効率化を図っている。
特徴
- 大規模物流センターの運営
大規模な物流センターを多数保有しており、大量の商品を効率的に保管・配送することができる。
- カスタマイズされた物流サービス
顧客のニーズに合わせて、最適な物流サービスを提供している。
- サステナビリティへの取り組み
環境負荷低減に向けた取り組みを積極的に行っている。
導入に適している業界
- 自動車部品メーカー
グローバルなサプライチェーンに対応するため、海外拠点との連携を強化し、部品の調達から納品までのリードタイムを短縮が見込まれる。
- 家電メーカー
大規模な物流センターを活用し、多品種少量生産に対応。季節変動の激しい需要にも柔軟に対応できる体制が構築できる。
- EC企業
高度なWMS(倉庫管理システム)を活用し、在庫管理の効率化を実現。迅速な出荷に対応することで顧客満足度の向上が実現できる。
【ささげ業務まで対応可能】株式会社スクロール360
株式会社スクロール360は、ピッキングや梱包といったささげ業務から、輸送、通関まで、物流業務全般に対応しており、特にEC事業者の物流支援に強みを持っています。
強み
- EC事業者への特化
EC事業者の物流に関する課題を深く理解しており、きめ細やかなサービスを提供している。
- 柔軟な対応力
注文数の変動や商品の種類が頻繁に変わるEC事業者のニーズに柔軟に対応が可能。
- ITシステムとの連携
さまざまなECプラットフォームとの連携が容易で、スムーズな受注処理を実現できる。
特徴
- 多様な配送オプション
通常配送だけでなく、当日配送や時間指定配送など、多様な配送オプションを提供している。
- リバースロジスティクス
返品・交換などのリバースロジスティクスにも対応。
- データ分析による改善
物流データを分析し、業務効率化やコスト削減にもつながる。
導入に適している業界
- EC事業者
多様な商品を取り扱うEC事業者のために、きめ細やかなピッキング・梱包作業を提供。返品・交換対応もスムーズに行い、顧客満足度向上に貢献が見込まれる。
- アパレルメーカー
シーズンごとの商品の入れ替わりが激しいアパレルメーカーに対し、柔軟な在庫管理と迅速な配送を実現できる。
- コスメメーカー
高い品質が求められる化粧品の物流を担い、温度管理や衛生管理が徹底される。
【冷凍・冷蔵食品に強い】株式会社ミラク
株式会社ミラクは、冷凍・冷蔵食品の物流に特化した企業で、温度管理が厳しく求められる食品の物流に最適な設備とノウハウを持っています。
強み
- 温度管理の厳守
冷凍・冷蔵食品の品質を維持するために、厳格な温度管理体制を構築している。
- 専門性の高い人員
冷凍・冷蔵食品の取扱いに精通した専門的な人員が多数在籍。
- 食品安全に関する高い意識
食品安全に関する法規制を遵守し、安全な物流サービスを提供。
特徴
- 多様な温度帯に対応
冷凍、冷蔵、常温など、さまざまな温度帯の商品に対応できます。
- トレーサビリティ
商品の履歴を詳細に追跡できるトレーサビリティシステムを導入しています。
- 食品ロスの削減
食品ロス削減に向けた取り組みを積極的に行っています。
導入に適している業界
- 食品メーカーの事例
冷凍食品の製造から消費者に届けるまでのサプライチェーン全体を管理。温度管理を徹底し、商品の品質を保ちながら、迅速な配送を実現できる。
- 外食産業の事例
多店舗展開する外食産業に対し、食材の調達から店舗への配送までを一貫して行い安定的な供給体制を構築が可能。
- コンビニエンスストアの事例
短納期で多品種の商品を配送するコンビニエンスストアに対し、高頻度の配送に対応し鮮度保持が期待できる。
まとめ
物流アウトソーシングは、自社の物流業務を効率化し、コア業務に集中するための有効な手段です。
しかし、導入にあたっては自社の状況や課題をしっかりと把握し慎重な計画と準備が必要になります。
本記事で紹介した内容を参考に、自社に最適な物流アウトソーシングサービスを見つけてください。